筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者と公園で遭遇(10月16日)

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「このベンチでなければ立てないんですよ」と突然話しかけられた。 「エ~」どういうこと?
某公園の片隅、2脚のベンチの前での出来事。 散歩の途中のご老人が先客でいたのには気がついていた。「こんにちわ」と挨拶したのだから。 それが、余命数年のALS患者だったとは。
この公園には沢山のベンチがあるが、ちょっと座面の高いのは、一脚だけ。これなら弱った脚でも自力でも立てるそうだ。間違って普通のベンチに座ると、誰か助けてくれる人を待つしかないとのこと。
よく見ると確かに両腕は肩からぶらりと下がっているだけ。現在、腰から脚の筋力が低下中。喉も弱ってきたので長く話すと疲れる、数年以内には死ぬ、新薬の治験に協力している、等々と、重い話を淡々とにこやかに話してくれた。明るく振舞っているので救われる。
思い切ってお歳を聞くと、発病したのは現在の自分の歳とそう変わらない。引退後に、趣味に運動にと活発に活動されていただけに、その無念さはいかばかりか。静かだが壮絶な余命だ。現在の心境に到達するまでの葛藤を想像するだけで心が痛む。
現在の自分の幸福を感謝し、後悔しない日々を送りたいものだと強く感じさせて頂いた。

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