登録生活支援員研修(第12回:精神障害者の特徴)

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講師:渡辺信也さん NPO法人ハートフィールド 就労継続支援事業B型 たなし工房 所長

精神障害者のイメージは少々悪い。何か事件があると、精神病の治療を受けていたなど書かれ、危険な人と思われがち。しかし、
統計的には、そうとも言えないらしい。(ちょっと歯切れが悪いが) 少なくとも薬を飲んでいれば問題はないし、統合失調症以外は、適切な治療を受ければ社会復帰も可能。彼らの苦悩に共感し、暖かく迎え入れる社会が障害者の社会復帰を大きく左右する、そうだ。
やはり、社会が変わる必要がある、ということ。

精神障害者の定義は? 何と、精神疾患を有する人、だそうだ。 wikipediaで調べても同じ! だが、精神障害の日本の法律上の定義があった。 「統合失調症、精神作用物質に よる急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患」(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条)とされる、とある。 能力の障害の内容は、知的障害者と類似点が多い。
精神障害者数は、217万人を越える。人口の約1.6%、約60人にひとり。 内、34万人が入院、残り183万人が在宅とのこと。
西東京市の人口を20万とすると、3200人。入院と在宅の比率を同じとすると、2700名が地域社会で生活していることになる。

西東京市には、一般就労が難しい人が働くための共同作業所が4箇所あるそうだ。たなし工房はその一つ。週3日程度働く人が29名登録、平均15~16名が通所(「つうしょ」と読む)中。渡辺さんは、元外資系企業の猛烈サラリーマン。過度なストレスを経験して、福祉の世界に転進した異色の経歴。暖かい包容力を発散しているが、最初は随分戸惑ったとか。
「同情は良いが、感情移入はしない事!」を強調。 最初から福祉を志向した人は、理想が高く、「何とか自分がしなければ」と、少々自己犠牲的な面がある。その結果、自分自身が精神的な病気になったり、燃ええ付き(バーンアウト)たりするそうだ。社協の人が、「ケースに喰われる」と表現。福祉の世界では「心は熱く、頭は冷たく」と自戒しているそうだ。傾聴でも似たような話を聞いた。
後見人になったら、気を付けなければと、少々の怖さも感じる

自分ひとりで何でもしようと思わない。ネットワークの重要性、周りを巻き込むことの大切さも強調された。「スズメの学校より、メダカの学校」だそうだ。「鞭を振リ振りチイパッパ」より「だれが生徒か先生か、水にながれてつーいつい、みんながそろってつーいつい」ということ。
社協の福祉ネットワークの力を大いに活用せねばと改めて感じた。

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